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駒野友一が今治で脱いだ2つの殻。
チームの「怒り役」と、料理男子。
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byToshihide Ishikura
posted2019/06/15 11:00
本拠地のピッチを前に笑顔で撮影に応じてくれた駒野友一。37歳、今治の地で今もなお健在だ。
目標はJFLで優勝して、J3昇格。
期待が大きいのは、岡田氏も同じだ。
「チームで一番タフに練習に取り組んでいるし、一生懸命やってくれています。Jリーグでやりたいという思いがある中で、最後は思い切って決断して、今治に来てくれた。ありがたいですよ」
2017年にJFLに昇格し、早期のJ3昇格を目指していたFC今治は、想定に反して今季で3年目のJFLを戦っている。
JFL2年目の昨季は成績不振を受け、6月に当時の吉武博文監督が事実上の解任に。工藤直人コーチが後任監督となってシーズン終盤に巻き返し、昇格圏内の4位につけていたが、最終節の1つ前で痛恨の黒星を喫し、最終的に5位でJ3昇格を逃した。
勝負の3年目、開幕前のキャンプで、選手だけで話し合って目標を決めることになった。当然のように誰もが「J3昇格」を掲げたが、駒野の考えは違った。
「『JFLで優勝して、J3昇格』がいいと言いました。去年のJFLの最終順位を見て、優勝を目指せると思っていたので。それを受けてクラブの目標も、『J3昇格』から『優勝してJ3昇格』に変えてくれました」
まずまずのスタートも初黒星。
3月17日の開幕戦、FC大阪とのアウェーゲームで駒野は先発フル出場し、JFLデビュー。この試合はスコアレスドローに終わったが、続く第2節、昨季王者のHonda FCとのホーム開幕戦も先発フル出場し、2-1の勝利に貢献する。
その後も先発出場を続ける中で、FC今治は第5節から今季初の連勝を飾り、この時点で3勝3分けと、まずまずのスタートを切っていた。
ところが5月5日の第7節、FCマルヤス岡崎とのアウェーゲームで1-2と敗れ、初黒星を喫する。
「前日に首位のチーム(FC大阪)が負けたので、勝てば首位に立てるという情報は入っていました。連勝中でチームは調子がいい、今日も簡単に勝てるだろう。そういう気持ちがあったから負けたのかもしれません」