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“日本の4番”を争う男たちの頭の中。
筒香嘉智、吉田正尚のホームラン観。

posted2019/06/14 17:30

 
“日本の4番”を争う男たちの頭の中。筒香嘉智、吉田正尚のホームラン観。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

すでに2ケタ本塁打を記録している吉田正尚、筒香嘉智。ともに4番としてチームを支える。

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中川聡(Number編集部)

中川聡(Number編集部)Sou Nakagawa

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Shigeki Yamamoto

 球場で野球観戦したことがある読者の方にはいわずもがなだが、ホームランの持つ力はとてつもなく大きい。1人で1点取れる以上に、球場全体の雰囲気も一変させる力を持っている。特に劣勢の中での1発は、まさに反撃の狼煙が上がったように感じられて、さあここからだ、という気持ちにさせてくれる。

「ホームランっていうのは野球の華ですよね。相手チーム以外はみんな喜ぶことだと思います(笑)」

 ホームランについてそう語ったのは、オリックスの吉田正尚だ。

球団初の事態にも素っ気ない態度。

 '16年に青山学院大からドラフト1位でオリックスに入団した吉田は、1番DHで開幕スタメンデビュー。開幕から6試合連続安打をマークしたが、その後は腰痛に苦しみ二軍落ちとなった。

 それでも8月中旬に一軍に復帰すると、球団としては31年ぶりとなるルーキーイヤーでの2ケタ本塁打を記録した。そして今回、取材の前日に10号本塁打を放ち、4年連続の2ケタ本塁打を達成。球団初の快挙となったが、本人は「そうみたいですね」と素っ気ない。

 昨年に26本塁打を記録しているのであるから、これも当人の中では当たり前のことなのかもしれない。

 その中でも思い出深く残っているのは17年7月10日に京セラドームで行われた日本ハム戦での1本だという。

「2年目に腰の怪我から復帰して打った浦野(博司)さんからのホームランですね。リハビリ期間もあったし、帰ってきて京セラドームで打てたので思い出深いですね」

 前日にその年初の一軍昇格を果たすと、3番ライトで先発出場。1回1アウト二塁の場面で、相手先発浦野の低めのストレートを右中間の5階席まで運んだ。怪我をしがちな印象があった吉田だったが、この1本から完全復活。'18年には全試合出場を果たし、チームの4番が定位置となった。

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