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批判の声が噴出する全米オープン。
松山英樹は難コースでも気にしない?
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2019/06/13 10:30
ぺブルビーチでの初ラウンドが全米オープンとなる松山英樹。コースセッティングに動じる気配はない。
「不愉快」なコースセッティング。
前回、西海岸で行われたワシントン州チェンバーズベイでの'15年大会は当時の新設コースということもあり、斬新なレイアウトやグリーンのつくり、セッティングに選手の不満が爆発した。現役を退いているレジェンド、ゲーリー・プレーヤーが「最悪だ。きわめて不愉快」とぶちまけたところから、火の勢いはさらに強まった。
'16年にはオークモントCCで優勝したダスティン・ジョンソンがグリーン上でパターをする前にボールを動かした“可能性がある”として、ラウンド中に「ホールアウト後にペナルティを科す“可能性がある”」と本人に通達するという、珍事が発生(実際にジョンソンには1罰打を加えられた)。
続く'17年のエリンヒルズ大会は長すぎるラフが開幕前にやり玉に上がり、一方で広すぎるフェアウェイにも疑問が出た。
フィル・ミケルソンの驚愕プレー。
極めつけが’18年大会。
シネコックヒルズGCでは'04年にも硬直したグリーンが非難を浴びたが、昨年も日中のプレー時間帯によって状態に大きく差が出た。フィル・ミケルソンは3日目、パットがグリーンからこぼれるのを防ぐため、ペナルティ覚悟で、ボールが止まる前に小走りで先回りして反対側に打ち返すというプレーで世界中のゴルファーを驚愕させた。
そのたびに出てくるのが、USGA の元エグゼクティブディレクターで、現在は最高経営責任者であるマイク・デービス氏。釈明会見はもはや6月半ばの風物詩である。
ロリー・マキロイは今年、「彼らはここ数年、(セッティングに)失敗したことを認めるはずだ。誰もがミスをする。だから僕らは彼らに挽回のチャンスを与えるべきだと思うよ。それでもペブルビーチで挽回できないのなら、それは問題がある」と強い言葉を突き付けた。