マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
SBスカウトは「打ちにくさ」を見る。
高橋礼に考えるアンダーの“極意”。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2019/06/13 11:30
188cmの恵まれた体格をいっぱいに使って地面スレスレから放たれる高橋礼のストレートの威力は見た目以上なのだ。
アンダーハンドの伝統は途切れていない。
そういえば……と、また思い出した話がある。
「アンダーハンドのボールで、いちばん打ちにくいのはまっすぐなんだよ」
そう言って、高校の時に組んでいた秀才アンダーハンドは、ピンチの時ほどこっちのサインに首を振っては、打者の体の近くにまっすぐを投げ込んできて、どん詰まりの凡打に打ち取っていたものだ。
アンダーハンドの世界は奥深い。
畳に座って暮らす日本人にしかできないプレースタイルと言われた時代もあった。生活様式は変わったが、「高橋礼」のようなアンダーハンドが現れたのだからギリギリ間に合うのでは。
後を追いかけるようなサブマリンの登場を心待ちにしている。