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ゴルファー渡邉彩香の夢。
「人としても魅力のある存在になりたい」 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/06/12 11:00

ゴルファー渡邉彩香の夢。「人としても魅力のある存在になりたい」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

感情の起伏に左右されないように。

 昨年は自信をなくしたこともありましたし、今はすごく悔しい状況です。ただ、こういう時期はないに越したことはないけれど、ふてくされることもなく、落ち着いて自分なりに色々と考えられるようになってきたという意味では、成長できているのかなと思います。

 今はショットが曲がる幅が少し狭くなるような取り組みをしています。ただ、私の持ち味である思い切りの良さは消したくない。思い切り振れば曲がることもありますから、傍から見たらあまり変わっていないように見えるかもしれませんが、自分の中では新しい感覚にトライしているところです。

 課題は感情の起伏に左右されないで、やることをちゃんとやるということ。人からは喜怒哀楽が出ない方だよと言われるのですが、自分ではムラがあると思っていて、結構すぐにカッとなったりするんです。我慢して出さないようにはしていますが、大きなミスでなくてもすごく落ち込んだりするので、そういうところはまだまだ幼いなと自分でも思っています。

 そんななかで、先日のマスターズでのタイガー・ウッズ選手の優勝は、今の自分が置かれている状況的にもすごく刺激になりました。世界ランキングが1000位以下まで落ちても、あんな風に復活優勝ができるんだって。

 今回シードを失ったときに、周りの人たちがすごく支えてくれたんです。オリンピックへの出場など、目標は色々とありますが、私はまた勝てると自分以上に信じてくれている人たちのためにも、私自身も自分を信じて、優勝したいというのが今の一番の目標です。

 いい時もあれば、悪い時もあるけれど、それがずっと続くわけではないし、明日になったらまた違う1日になると思って、ゴルフにおいても、それ以外のことにおいても、毎日毎日新たな気持ちで色々とチャレンジをしていきたいと思っています。

渡邉彩香

渡邉 彩香Ayaka Watanabe

1993年9月19日、静岡県生まれ。10歳でゴルフを始め、ジュニア時代から頭角を現す。2012年にプロテスト合格。2014年にツアー初優勝。2015年には2勝を挙げ、賞金ランキングでは日本人選手最上位となる6位に入り、獲得賞金は1億円を突破。今季は6年ぶりにシードを失ったが復活を期して奮闘中。大東建託所属。

新しいナビゲーターに俳優の田辺誠一さんを迎え、番組デザインもリニューアル。アスリートの「美学」を10の質問で紐解き、そこから浮かび上がる“人生のヒント”と皆さんの「あした」をつなぎます。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

第59回:渡邉彩香(ゴルフ)

6月14日(金) 22:00~22:24

プロゴルファーの渡邉彩香選手は20歳の時にツアー初優勝。翌年は2勝、トップ10に17回も入る安定感で年間獲得賞金は1億円を突破しました。リオ五輪出場を懸けた2016年全米女子オープンの最終ホールの第3打がまさかの池へ……。以降は苦しい戦いが続く彼女に、当時の心境や現在、そしてこれからをお聞きします。

第60回:上田桃子(ゴルフ)

6月21日(金) 22:00~22:24

「才色健美」第1回目のゲストでもあるプロゴルファーの上田桃子選手が再登場!この1年間でメンタル面の大きな変化を自身でも実感し、今年3月に約2年ぶりのツアー優勝、6月には逆転で今季2勝目を飾るなど好調なシーズンを送っています。新境地に辿り着いた33歳の今に、プライベート含め10の質問で迫ります。

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