才色健美な挑戦者たちBACK NUMBER
ゴルファー渡邉彩香の夢。
「人としても魅力のある存在になりたい」
posted2019/06/12 11:00
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph by
Takuya Sugiyama
高校を卒業した2012年にプロテストに合格すると、2014年にはツアー初優勝、2015年には2勝を挙げ、賞金ランキングでは日本人トップの6位となるなど、船出は順調だった。
だが、その後は優勝から遠ざかり、リオ五輪への出場権を僅差で逃すと、昨年はシードを喪失。試練の年になるであろう今シーズンを迎えた彼女が、今の自身のゴルフ観を語った。
小学生のときはゴルフ以外に水泳やバスケットボールもやっていました。中学生の時にバスケットボール部に入らないかと言われ、正直迷ったのですが、父から「バスケとゴルフの試合がかぶったら、どっちに出る?」と聞かれて「ゴルフ」と答えたんですね。バスケットボールはチームスポーツですから、試合に行かないと迷惑がかかるので辞めた方がいいということになって、そこからはずっとゴルフ一筋です。
うちの両親は昔からゴルフを強要することも、結果を求めることもありませんでした。辞めたければ辞めればいいし、やりたければやればいいというスタンス。その代わり練習しないで悔しい思いをするのも、練習を頑張って優勝していい思いをするのも自分次第、と言われていました。
両親からのもうひとつの教えが、ゴルフがすべてじゃないということ。学生時代なら勉強もきちんとすることでしたし、プロとなった今はなおさらその教えの大切さをすごく実感しています。アスリートとして憧れてもらえるような選手でいないといけない、女性としても美しくいたい、ゴルフだけじゃなく人としても魅力のある存在でいたいと思っています。
ドライバー1発でギャラリーを沸かせたい。
渡邉彩香といえば“ドライバー”というイメージがあると思いますし、自分自身でも一番好きなクラブです。ティーショットのときに「ナイスショット!」だけじゃなくて「おぉ~」と驚く声が聞こえるのが、すごくうれしいんですよ。他の選手とは違う自分の持ち味を見ていただきたいというのは、モチベーションになっています。
私自身、小さい頃から福嶋晃子さんに憧れていて、福嶋さんみたいに飛ばせるようになりたいと思ってゴルフを始めたんです。ドライバー1発だけでギャラリーを沸かすことができる。そんな選手になりたいという思いがずっとあるんです。