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百花繚乱の国内女子ゴルフ。
女王候補は黄金世代? それとも……。
posted2019/07/03 08:00
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Getty Images
一度勝つことは難しいが、勝ち続けることはもっと難しい。それは若さや勢いで勝てた時代から、成熟した選手への脱皮が求められるからである。
日本人初の世界ランキング1位となった宮里藍は、大会アンバサダーを務めた6月のサントリー・レディースである種の無鉄砲さが持つ強さについてこう語っていた。
「やっぱり20歳ぐらいの時は怖いものがほとんどなかった。ゴルフの怖さを知らないうちに勝つというのも大事だと思う。長いキャリアでどのタイミングで怖さを感じ始めるかは選手によって全然違う。プロ1、2年目では、自信を持って自分の武器を生かせる時期が若手にはみんなあると思う」
現在の国内女子ゴルフツアーを席巻しているのは1998年度生まれの『黄金世代』と呼ばれる選手たちである。大会ごとに入れ代わり立ち代わり違う選手が活躍し、新しい顔ぶれも次から次へと出てくる。ただし、栄枯盛衰の激しい女子ツアーにおいて彼女たちが数年後も生き残っている保証はどこにもない。宮里の視点もこの先に向けられていた。
「去年から若い世代の話は出てたけど、その選手たちが勝ち始めている。すごく面白いなと思ってみているし、その中で抜きんでる選手は誰か? と期待しながら見ている。みんなが同じように勝つよりは、勝ち続ける選手が現れることがツアーにとっても大事。シーズン後半戦に向けて、どういう流れになってくるかがすごく面白い」
今季前半戦で目立った「黄金世代」。
アース・モンダミンカップまで17大会を終え、獲得賞金額によってシードのない選手の出場優先順位を入れ替える第1回のリランキングが実施された。前半戦で活躍が目立ったのはやはり黄金世代だった。
リランキングで2位、賞金ランクでも9位につけている河本結は前半戦でブレークした1人である。
3月のアクサ・レディースでの初優勝を皮切りに、5月から6月にかけては4試合連続でトップ3入り。昨年はレギュラーツアーのフル出場権を得られなかったが、下部ツアーで賞金女王となって今季の活躍につなげている。