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<史上最高の天才の回想>
小野伸二「ワクワクさせることだけ考えていた」

posted2019/06/11 15:00

 
<史上最高の天才の回想>小野伸二「ワクワクさせることだけ考えていた」<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

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北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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Atsushi Hashimoto

日本サッカー史上最高の天才プレーヤーは、誰か? この問いに、多くの人が彼の名前を思い浮かべるだろう。本人曰く、キャリアのピークは浦和入団2年目の途中まで。あの頃、どんなイメージとともにボールを操っていたのか。(Number979号掲載)

 他人と同じものを見ながら、まったく別のことを考える。

 天才とは、そういう種族だろう。凡人には容易に見えないものが、なぜか見えてしまう。例えば、こんなことをさらりと言ってのけるのだ。

「うまい選手って、会った瞬間にわかるんですよ。まずオーラがある。相手が小さい子でもそう。すれ違ったときに『あれっ?』って。顔つきが違うし、雰囲気がめちゃめちゃ出ているんですよ。わかる人にはわかるかもしれないですけど……」

 小野伸二の言葉だ。

 いかにも日本サッカー界が生んだ天才のそれらしい。もう、わからない人にはずっとわからないままだろう。凡人から見れば別世界の住人と言うほかない。

 現在、39歳。

 いまもJ1クラブの北海道コンサドーレ札幌で現役を続けている。まるでガラス細工でも扱うようなボールタッチは最盛期のそれと少しも変わらない。

 天賦の才もさることながら、キャリアも華々しい。FIFA(国際サッカー連盟)主催の世界大会とUEFA(ヨーロッパ・サッカー連盟)が開催するクラブの大会すべてに出場した、ただ一人の日本人だ。

 また、日韓ワールドカップが開催された2002年にはアジア年間最優秀選手賞を受賞。奥寺康彦、中田英寿に続いて、本場ヨーロッパでも実力を認められた日本人として、歴史にその名を刻んでいる。

 神童だった。

 静岡の今沢中時代に超逸材として頭角を現し、サッカー関係者の間ですっかり名の知られた存在となる。この頃、小野のある「特技」が周囲を驚かせたという。指導に当たっていたサッカー部の山本孝監督から聞いた話はいまも忘れられない。

「プロの選手たちのビデオを見せたりすると、どんなプレーでもすぐにマネすることができてしまうんです。それを見て『この子は天才だ』と思いましたね」

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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