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やけに揃ったスポーツ紙の足並み。
「トランプ大相撲」をどう報じたか。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2019/05/31 08:00

やけに揃ったスポーツ紙の足並み。「トランプ大相撲」をどう報じたか。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

幕内優勝した朝乃山(左)に贈る「米国大統領杯」を抱え上げるトランプ米大統領。

「貴賓席」ができた経緯。

「貴賓席」については大相撲中継でならした元NHKアナウンサーの杉山邦博氏のコメントが目を引いた。

《貴賓席は相撲好きだった昭和天皇が土俵近くでの観戦を希望したが、警備上の理由で2階に作られた。以来、数々の皇族や各国の要人が貴賓席で観戦。杉山さんは「土俵近くで見たいという昭和天皇のご意向に沿うことができなかった経緯がある。今回はどうして貴賓席ではないのか」と首をかしげた。》(毎日新聞5月27日)

 つまり、トランプ大統領は昭和天皇をあっさり超えてしまったことになる。令和スゴイ。

 それにしてもだ。ふだん伝統を頑なに守るというのが相撲協会のイメージなのに今回はこうもあっさり「伝統破壊」を許すのが不思議だった。政治が絡むと無言になるしかないのだろうか。

 いや、伝統とかそんなカタい話でなく、今回はお客さんが警備の厳しさで入場に時間がかかったり、自動販売機やベビー休憩室も使えなくなったりと大変なことになっていた。相撲って庶民の娯楽のはずである。この様子を見てなんと書くのか。私が千秋楽翌日のスポーツ紙を早く読みたかったのはそういうわけだ。

勢い重視だった新聞各紙。

 5月27日の各紙を見てみよう。一面できたのはスポニチ、日刊スポーツ、サンケイスポーツ。

『国技館“ジャック”!!取組より沸いた!?トランプ場所』(スポニチ)

『国技館を制圧!!座布団投げたら「処罰」 トランプ大統領』(日刊スポーツ)

『国技館総立ち!!トランプ劇場』(サンケイスポーツ)

 一面のノリはこんな感じ。

 一面でないが他紙も、

『トランプ劇場待ったなし』(スポーツ報知)

『いよっトランプ狂騒曲』(デイリースポーツ)

『トランプ大統領 「アサ~ノヤマ」』(東京中日スポーツ)

 ほぼ同じノリ。

 スポーツ紙の紙面は派手さと勢いが大事だ。各紙の見出しは同じ方向だった。

【次ページ】 記者たちは「大イベントお疲れ様」

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