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デムーロ「馬がひとりで伸びた」
無敗のオークス馬はまだ成長途上。
posted2019/05/20 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
令和最初のクラシックで、超良血の乙女が、競馬史に残る偉業を達成した。
フルゲートの18頭が出走した第80回オークス(5月19日、東京芝2400m、3歳牝馬GI)を、ミルコ・デムーロが乗る1番人気のラヴズオンリーユー(父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。2006年のカワカミプリンセス以来、13年ぶり、史上5頭目の「無敗のオークス馬」となった。
勝ちタイムの2分22秒8はオークスレコード。鞍上のデムーロは、史上10人目となるクラシック完全制覇を果たした。
ラヴズオンリーユーはまずまずのスタートを切り、道中は中団馬群のなかでレースを進めた。
「スタートは上手く行った。折り合いもついて、イメージどおりだった」とデムーロ。
向正面で、先頭との差は8馬身ほど。1000m通過は59秒1という、平均より速い流れになった。
3、4コーナー中間の勝負どころで馬群が密集しはじめて、ラヴズオンリーユーと先頭との差も詰まった。
「馬がひとりで伸びてくれた」
しかし、4コーナーを回りながら、また前との差が少し開いてしまった。
「前の馬がフラフラしていたので、思ったより後ろに下がってしまった。前残りの馬場なので、届かないかもと心配になったけど、馬がひとりで伸びてくれた」
そうデムーロが言ったように、直線で外に持ち出されると、ラスト400m手前からじわじわと加速。7馬身ほどあった先頭との差は、ラスト200mで3馬身ほどになった。そして、ラスト100mあたりで、先に抜け出していたカレンブーケドールの外に並びかけた。
一気にかわすかに見えたが、カレンブーケドールが食い下がる。2頭のマッチレースとなり、ラヴズオンリーユーが首差のリードを保ち、先頭でフィニッシュした。