酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
宮西尚生の300ホールドは世界一?
実は日米で違う「中継ぎ」の地位。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2019/05/08 17:00
必殺のスライダーを駆使してセットアッパーを務め続ける宮西尚生。日本ハムのブルペンには欠かせない。
ワンポイントが禁止される影響は?
メジャーは2020年から「マウンドに上がった投手は最低3人を相手に投げるか、イニングを終了させなければならない」というルールを導入する。
日本でいうワンポイント、アメリカでいうシチュエーショナル、打者1人だけに投げる起用法を禁止することで、試合のスピードアップを図ろうとしているのだ。
リクエスト制度などの導入を踏まえれば、NPBでも近い将来この新ルールが適用されるかもしれない。
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もしそうなれば、ワンポイントリリーフの第一人者、ソフトバンクの嘉弥真新也は持ち場の変更を余儀なくされるだろう。彼は昨年67試合に登板したが、イニング数はわずか33回。49試合が対戦打者数2人以下だった。そして宮西も55登板のうち12試合が対戦打者数2人以下。同じく宮西の労働環境も変わるだろう。
さらに、メジャーでは救援投手が先発して1、2回を投げて降りる「オープナー」も急速に普及しており、NPBでもこれにならうチームが出始めている。宮西がこのポジションに起用される可能性もあるかもしれない。
「マメな営業マン」のような宮西尚生を取り巻く環境は、令和の時代に入ってどんどん変わろうとしている。仕事の中身も変わるはずだ。しかしどんな部署に配置転換されようとも、宮西は文句も言わずに頑張るはずだ。好漢、環境変化にめげずに全力を尽くすべし。