大学球界屈指のストレートを持つ男。

　それほど知られていないが、実力なら東北福祉大・津森宥紀を挙げねばならない。

　サイドハンドの本格派。猛烈な腕の振りから145キロ前後の速球の“強さ”がすばらしい。

　昨年6月の大学選手権大会、つまり大学球界の「甲子園」で、先発にストッパーにフル回転してチームを全国制覇に導いた時のピッチングは圧巻だった。

　真っすぐ、真っすぐ、さらに真っすぐ……。真っ向勝負のストレート一本。追い込まれた打者が顔のあたりのボールを振っていたから、その勢いはよっぽどのことだったのだろう。あとで聞いたら、それでも右手の中指か人差し指の爪がほとんどないような状態で投げていたというから、2度驚いたものだ。

　変化球がないわけじゃない。高速スライダーにチェンジアップにツーシーム。サイドハンドの“お品書き”としては不足はない。先で困るようなバリエーションじゃない。

　ここまでの6人が、現状で1位当確と踏んでいる。  

　そして、「ここからの6人」がこの先、日々刻々、顔ぶれが変わってくるはずだ。

　6人に絞るのは難しいが、どこかで線を引けば「6人」にはなる。

　後編「ここからの6人」には、まだ一度も名前を耳にしたことも、姿を見たこともない選手が登場するかもしれない。

　今年の「1位」はなかなかその“全容”がつかめない。