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女子柔道78kg超級の争いが熾烈。
素根輝、2020年で「笑うのは自分」。
posted2019/05/01 08:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
ようやく、念願の切符を手にした。
柔道78kg超級、素根輝(そね・あきら)は、4月に行なわれた全日本選抜体重別選手権の同級で3連覇を達成し、全日本女子選手権でも連覇。今年8月から9月にかけて開催される世界選手権代表の座を初めてつかんだ。
現在大学1年生で18歳の素根は今でも十分若い存在だが、柔道界ではもっと早くから知られた存在だった。
7歳のとき柔道を始めた素根は、小学6年生で出場した全国小学生学年別柔道大会45kg超級でオール一本勝ちをおさめ優勝。中学生になると全国中学校柔道大会70kg超級で2、3年生時に連覇。17歳以下による世界カデ選手権にただ1人中学生で選ばれ、優勝を飾った。
高校生になっても足取りは止まらない。1年生のときには全日本ジュニア選手権で優勝、初めて出場したシニアの大会である講道館杯では準優勝をおさめた。高校2年生で出場した全日本選抜体重別選手権では21年ぶりの高校生としての優勝で脚光を浴びた。世界ジュニア選手権では優勝を果たした。
そして昨年も、選抜体重別、全日本女子と優勝。順調と思える足跡を刻んできた。
輝く経歴は図抜けた練習量の賜物。
素根の身長は162cm。この階級では小柄で、見た目にもひと回り以上大きな選手たちと組み合うことになる。
それをものともせず、結果を残してきた。その強さは、図抜けた練習量に支えられている。実家から通っていた高校時代までは、平日に朝練を1時間、放課後には3時間ほど、帰宅してからはトレーニングルームで2時間強。他を圧する持久力を身につけて武器の1つとするとともに、小柄であることをかえっていかしつつ、背負い投げなども繰り出す。