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磐田の成長株はJ3も震災も経験した。
MF松本昌也「コツコツと地道に」
posted2019/04/12 10:30
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph by
J.LEAGUE
3月30日のリーグ戦第5節ホーム鹿島アントラーズ戦。
ともに日本代表を大量輩出した1990年代には「ナショナルダービー」とも呼ばれていた大一番で先制点を押し込んだのは、その黄金時代を知らないジュビロ磐田の24歳、松本昌也だった。
右サイドを持ち込んだ山田大記のパスを大久保嘉人がオーバーヘッドでつないだところを、「来るかもしれない」と予測していた松本が落ち着いて右足で押し込んだ。今季初得点。J2、J3も経験してきた成長株が決めた、J1通算3得点目となる渾身の1発だった。
虎の子の1点を守り切ればチームは今季リーグ初勝利だったが、後半39分に鹿島に追いつかれ、松本は土壇場で喜びのお立ち台を逃した。
「勝点3が取れなかった悔しさもあるけど、確実に決めたことは自信になった」
今季リーグ戦初勝利に貢献。
そして、迎えた4月6日、第6節アウェー湘南ベルマーレ戦。松本が掴んだ前節での悔しい思いと自信が、再びチャンスを呼び込んだ。
0-0で迎えた後半27分、大久保とのパス交換から右サイドを駆け上がってパスを受けると、スピードのある巧みなドリブルで相手を一人抜き去って出した右クロスは、相手DFの足に当たりネットを揺らした。
直後、場内には松本の得点とアナウンスされたが、後にオウンゴールと訂正された。プロ初の2試合連発はならなかったが、味方の追加点もあり2-0でチームは今季初勝利。
「これを継続していかないと意味はないと思うけど、目に見える結果がついてきた」
加入3年目での大仕事に満面の笑みを浮かべた。