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マキロイが今年こそ優勝候補な理由。
「マスターズに勝てなくてもOKだ」
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2019/04/10 17:00
暴れん坊のイメージが強いマキロイもいまや29歳。技術に精神が追いつき、勝利へのアプローチすら変化している。
特別な策は、もう弄しない。
手に入りそうで、なかなか手に入らないマスターズのタイトルを「絶対に取ってやるぜ」と前のめりになり過ぎていた過去の自分を反省し、今は心穏やかに「勝利を愛している」。
心身のコンディショニングや試合出場のスケジューリングにおいても、以前は「すべて、マスターズに照準を合わせて調整するという姿勢だった」とマキロイは振り返った。
だが、今年からは、そういう特別な策を弄することは、もうしないと決めた。
「他の年間20数試合と同じように備え、同じ数だけ球を打ち、初日が来たらティオフしていく。なぜなら、僕自身がリラックスできればできるほど、いいゴルフができるということに、やっと気づいたからさ」
優勝目前と言われながら最終日に大崩れして大敗を喫した2011年マスターズのときのマキロイは、未熟だったがゆえに勝てなかったのだとすれば、いろいろな経験を積み、メジャー4勝、米ツアー通算15勝の実績を重ねる一方で、勝てない苦しみも味わい、人間としても成長した29歳の今のマキロイは、すっかり成熟度を増している。
なぜ今年、マキロイがマスターズ優勝候補の筆頭に挙がっているのか。それは、「好調だから」というだけではなく、「今こそ、機が熟したから」――。
サンデーアフタヌーンにマキロイがグリーンジャケットを羽織る姿を、早くも大勢のゴルフファンが思い浮かべている。