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マキロイが今年こそ優勝候補な理由。
「マスターズに勝てなくてもOKだ」
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2019/04/10 17:00
暴れん坊のイメージが強いマキロイもいまや29歳。技術に精神が追いつき、勝利へのアプローチすら変化している。
メジャー4勝、しかしマスターズだけはまだ。
だが、それからわずか2カ月後、息子はマスターズ大敗の悔しさを乗り越え、全米オープンを制してメジャー初優勝を遂げた。
そして、あれよあれよという間にメジャー4勝の強者になり、世界ナンバー1の王座も手に入れ、押しも押されもしない世界のトッププレーヤーになった。そんなマキロイの駆け足の歩みは、すでに世界中のゴルフファンがご存じのはずである。
しかし、あの2011年の大敗を喫して以来、マキロイはマスターズだけは、いまなお勝てないでいる。
その原因は何なのか。そこには何か見えない壁があるのだろうか。それは、世に言う「トラウマ」というものなのだろうか。どうしたら、乗り越えることができるのか。
そんな疑問が沸き上がるからこそ、今年のマスターズ開幕を目前に控えた今、人々の興味と関心がマキロイに集まっている。
今年、優勝候補の筆頭はマキロイだ。
マスターズ開幕直前の今、ラスベガスのブックメーカーが発表した優勝候補のオッズを見れば、その筆頭に上がっているのは、オッズ8倍のマキロイだ。
今年1月のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズで4位タイになったマキロイは、その後もファーマーズ・インシュアランス・オープン5位タイ、2月のジェネシス・オープン4位タイ、世界選手権シリーズのメキシコ選手権2位、そしてアーノルド・パーマー招待では6位タイという具合に、出場すれば必ず優勝争いに絡み、惜敗を繰り返していた。
そして3月、「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権を制し、ほぼ1年ぶりの復活優勝を果たした。好調なゴルフを安定的に持続しているマキロイだからこそ、今年こそマスターズ優勝は間違いないと期待されている。
その期待通り、マスターズを制し、グリーンジャケットに袖を通すことができれば、それは同時に彼にとってのキャリア・グランドスラム達成となる。