【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
NBA、NHL視察で見た規格外アリーナ。
そしてファンの成熟が選手を育てる。
posted2019/04/03 07:00
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph by
CHIBA JETS FUNABASHI
今年2月、Bリーグのブレイク期間を利用して、数クラブの社長とリーグのスタッフとともに渡米し、NBAを視察しました。
初日はニューヨークに本部があるNBAの、スポーツビジネスセクションであるTMBO(Team Marketing&Business Operations)関係者と面談し、NBAがどのように戦略的に事業展開をしているのか話を伺いました。
ビジネスのスペシャリスト軍団「TMBO」は約20名のスタッフで構成されていて、1人で3~4球団を担当し、各球団のビジネスの側面での相談役になっているそうです。
球団の各担当者とTMBO担当者がいろいろと話し合い、そこで生まれた戦略の良い点はNBAの他球団にもシェアする。試合では競争ですが、ビジネスでは共闘。クラブの価値をあげることこそが、リーグの価値の上昇にもつながるという考えだからこそ、こうした情報共有が生まれています。
その夜はバークレイズ・センターでブルックリン・ネッツの試合を視察し、アリーナの裏導線やVIPルームなどすべて見せていただきました。翌日にはアトランタに移動し、ステート・ファーム・アリーナで行われたアトランタ・ホークス戦を視察。その後、私はツアーを離脱してニューヨークに戻り、NHLのニューヨーク・レンジャース戦を観戦しました。
専用ラウンジなど様々な規格外が。
実は最終日の夜はアイスホッケーの試合が行われたマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)でNBAのニューヨーク・ニックス戦を視察予定だったのですが、氷の張られたアリーナが1日も経たないうちにバスケットコートになって、どのように雰囲気が変化するのか興味があったのです。
しかも、アイスホッケーの試合が行われた数時間後にはNCAAのバスケットの試合も行われていましたから。
NBAのアリーナの規模が大きいのはあらかじめ分かっていましたが、様々な面で規格外でしたね。たとえば、MSGのVIPルームは「LEXUSレベルスイート」と名付けられているように、年間数億と言われる命名権料が発生していたり、VIPルームやコートサイドではない普通の1階席でもチケットは数百ドルという決して安くはない価格が設定されている。
ハーフタイムには専用ラウンジに案内され、そこで軽食を食べたり飲んだりすることができるのも、また日本とは全く異なる光景でした。