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F1開幕戦前日に急逝した審判部長。
ベッテル、ボッタスらが捧げた感謝。
posted2019/03/24 10:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
開幕戦で恒例となっている、ドライバー全員が集合して行われるホームストレート上での記念撮影。終了後、もうひとつの撮影会が待っていた。
そこにはドライバーだけでなく、FIAのスタッフや各チームの首脳陣の姿もあった。彼らの前には一枚のボードが立っていた。
「THANK YOU,CHARLIE」(ありがとう、チャーリー)
F1オーストラリアGPが幕を開ける前日の3月14日に、肺塞栓症で急逝したF1レースディレクターのチャーリー・ホワイティングへの追悼メッセージだった。スタート前のセレモニーでは、オーストラリアの国歌斉唱前に1分間の黙祷が捧げられた。
グリッド上にいるドライバーだけでなく、チームスタッフたちも腕に黒い腕章を巻いて敬意を表し、多くのチームがマシンに追悼メッセージを掲載していた。
ホワイティングは1977年にメカニックとしてF1でのキャリアをスタート。ブラバム移籍後の'81年と'83年には、チーフメカニックとしてネルソン・ピケのチャンピオン獲得をサポートした。
F1界の審判部長とも言える存在。
その後、エンジニアとしても腕を磨いたホワイティングは、その多彩な経験が買われて、FIAにF1技術部門責任者として加入。'97年からは、F1のレースディレクターとしてレース週末全体を統括してきた。
わかりやすく例えるなら、F1界の審判部長とも言える存在だった。
コース上で起きるアクシデントはもちろん、コース外で発生する事件に関してもジャッジを下す立場にあるホワイティングには、毎グランプリ多くの質問や要求が寄せられ、時には批判を受けることもあった。