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F1開幕戦前日に急逝した審判部長。
ベッテル、ボッタスらが捧げた感謝。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2019/03/24 10:00
開幕戦の地メルボルンでベッテル(右)と話し合うホワイティング。まさかこの翌日に急逝するとは誰も思ってもいなかった……。
「僕たちの不満に耳を傾けた」
しかし、その機会はもう訪れることはなかった。ドライバーズミーティングで時折、ホワイティングに質問していたダニエル・リカルドはこう明かす。
「僕たちドライバーは時に傷ついたレコードのように、何度も何度も同じような不満を繰り返しチャーリーにぶつけていたように思う。それでもチャーリーは決して僕たちを門前払いするようなことはしなかった。彼はいつも僕たちの不満に耳を傾けてくれ、いつも僕たちの側にいてくれた」
ホワイティングに哀悼の意を表して行なった黙祷から1時間半後、レースを制したバルテリ・ボッタスはこう言った。
「この勝利はチャーリー、そして、F1のために尽力した彼のすべての功績に捧げたい。彼がこれまで行なってきた偉大なる仕事に、僕たちドライバー全員が感謝している。チャーリー、ありがとう!!」