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隣の兄ちゃん・田澤純一の挑戦。
「結果が出ても上がれないのがフツー」
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2019/03/20 10:30
メジャー直行を選ぶ選手が増えてきた今、田澤純一の注目度はさらに上がっている。彼は後進に夢を与える存在なのだ。
アメリカでの開幕まで、あと2週間。
まずはキャリア最低成績だったマーリンズ時代の「悪夢」を払拭すること。勝負球のフォークボールをバットに当てられ、投げる球がなくなっていく悪循環を断ち切ること。孤独なシャドーピッチングも、体の動きを気にしながらのトレーニングも、すべてはそのためだ。
自分のピッチングを取り戻すこと。本当の勝負は、そこからなのかも知れない。
「厳しい立場にいるのは分かってるけど、先のことは本当に考えてない。そんなことより、まずはしっかり準備して、自分が投げたい球をしっかり投げるってのが大事だから」
田澤はオープン戦5度目の登板となった3月17日までの時点で、無失点記録を5試合に伸ばした。三振は2つとも、フォークボールを空振りさせてのものだった。
「(フォークボールは)振ってもらえているんですけど、良いイメージがまだできていないと言うか、結果として、そうなったという感じが多い。今日はボールがすごい滑ってたんで、その中でワンバンを振ってもらえるぐらいの精度で投げられたってのが良かった」
アメリカ本土でのメジャーリーグ開幕まで、残り2週間足らず。
メジャー生き残りを懸けた戦いは、続く――。