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大怪我を乗り越えJRA700勝。
三浦皇成のセカンドステージ。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/03/15 17:00
中山牝馬Sを制したフロンテアクイーンとJRA通算700勝の三浦皇成騎手。
機転が利く、スマートな子。
今年は開幕週に4勝を挙げると、その後もコンスタントに勝利数を重ねている。冒頭に記したように3月9日、フロンテアクイーンで勝利した中山牝馬SがJRA通算700勝目、今年の17勝目。更に翌10日にも2勝を積み上げて、19勝。同日時点で関東リーディングに立ってみせた。
ちなみに700勝を達成した際のインタビューでデジャヴと思えるシーンを目にした。
当初、中京競馬場の最終レース終了後にメモリアル勝利のインタビューが行われる予定だったが、そのレースの発走直前に1頭アクシデントがあり、ゲートインが遅れた。それを見た三浦騎手は「(インタビューを)先にやっちゃいましょう!!」とJRAの職員らにてきぱきと指示。実際に中京最終レースがスタートする前に滞りなくインタビューを終わらせた。
記憶が定かではないが、新人最多勝記録達成の時だか、JRA通算100勝目の時だかにも実は似たような事があった。
なんらかの手違いでインタビュアーの到着が遅れると、三浦騎手は自らマイクを握り、喜びのコメントを発表。クレバーな子だと思わせたものだ。
デビュー12年目。だが、まだ29歳。
閑話休題。今年デビュー12年目となる三浦騎手だが、2年目以降、昨年までの計10年間で、デビュー年の91を上回る勝利数は挙げていない。GI勝ちもない。武豊2世と呼ばれた男の実績としては、残念と言わざるを得ない数字である。
しかし、考えてみればまだ30歳にもなっていない若いジョッキーである。年間100勝はもちろん、GI勝利やリーディングジョッキー、そして国内にとどまらない活躍は、まだまだ充分に考えられる。