濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
新体制ノアは何が変わる!?
若き王者、清宮海斗の決意と魅力。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byPRO-WRESTLING NOAH
posted2019/03/06 11:00
新生ノアの中軸を担う期待を集める清宮海斗。大舞台での新旧対決を制し、新時代をアピールできるか。
躍動感とひたむきさが清宮にはある。
曰く「トップに立つと決めてはいたんですけど、現実が予想を超えてる感じで。1年間でもの凄い経験をしたし、それが成長にもつながってると思います」。
得意技の一つは、高さのあるドロップキックだ。清宮の闘いぶりには躍動感とひたむきさがあり、“必死”、“全力”、“無我夢中”といった言葉がよく似合う。
「今の自分は、若いということがプラスに出ていると思います。後先考えずに、とにかく全力を出す。結果がどうなっても思いっきりやろうって。そういう気持ちが伝わってるなら嬉しいですね」
貫禄と技量の丸藤が見せる、新たな引き出し。
丸藤は、そんな清宮を貫禄と技量で圧倒しようとしている。前哨戦で見せたのは徹底した一点集中攻撃。2月24日には新技パーフェクトキーロックで清宮をギブアップさせた。
古典的な技に改良を加えて“必殺技”にしてしまうセンスはさすがというしかない。加えて試合後、腕の痛みにうずくまる清宮に自らアイシングを施し、余裕を強調してみせた。
あれが自分本来の性格の悪さだと丸藤。清宮という若いチャンピオンに立ちふさがり“海千山千の厄介なベテラン”という立ち位置を楽しんでいるようにも見える。丸藤は丸藤で、新たな引き出しをあけているのだ。
「一点集中攻撃をしたと言っても、腕を折ろうとか足を折ろうなんて考えてない。タイトルマッチでは清宮の心を折りますよ。パキっとね」