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新体制ノアは何が変わる!?
若き王者、清宮海斗の決意と魅力。
posted2019/03/06 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
PRO-WRESTLING NOAH
3月10日のプロレスリング・ノア横浜文化体育館大会は“新生ノア”お披露目の舞台となる。
今年2月から新たにオーナーとなった広告代理店リデットエンターテインメントは団体運営こそ初めてだが、これまでにも長州力の自主興行などプロレスイベントを手掛けてきた。3.10横浜大会からは団体ロゴ、マットの色を変えることも含め、リニューアルを打ち出す。
メインイベントは清宮海斗vs.丸藤正道のGHCヘビー級選手権試合。デビュー3年あまり、22歳の王者・清宮に20年選手で今年40歳、旗揚げメンバーの丸藤が挑む。これ以上ないほど分かりやすい“新旧対決”だ。
丸藤自身、清宮たち若い世代がこれからのノアを引っ張っていくことに期待している。それだけのポテンシャルがあると認めてもいる。
ただ「今は(勝つべきは)俺だと思ってる。そのほうが分かりやすいじゃないですか」と意気込む。新たな船出、大事な時期だからこそキャリアと“顔”が重要になるという面は確かにあるだろう。
「もう一度、ノアを業界トップにする」
逆に清宮は、新しい時代は新しい世代が担わなければいけないと当然のように自負している。
「目標はもう一度、ノアを業界トップにすること。そのためには新しさをアピールしていかなきゃいけないと思ってます。丸藤さんや杉浦(貴)さんは確かに凄い選手ですけど、どれだけ熱い試合をしても、今までのノアとどう違うのかが見えない。
ファンを増やすためには新しい層に届けることが大事。ノアの凄さは見てもらえれば絶対に分かる。見ていただくためにどうするかが難しいんですよね。その中で“こんなに若くていいチャンピオンがいるんだ”と思ってもらえたら」
一昨年夏から海外遠征を経験し、2018年の年明け早々に団体最高峰・GHCヘビー級タイトルに挑戦。拳王に敗れたものの「絶対にトップに立つ」という思いはさらに強まった。その後タッグリーグ戦、シングルリーグ戦ともに優勝。その勢いで杉浦を下し、昨年12月にGHCヘビー級のベルトを巻いている。
帰国から1年間のステップアップぶりは、本人の想像を上回っていた。