月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
長野広島移籍をスクープした東スポ。
次の注目は“夜王・長野”と“赤長野”。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKyodo News
posted2019/02/28 07:00
DeNAとのオープン戦開幕戦には5番・DHでスタメン出場した長野久義。昼も夜も絶好調である。
球団社長の言葉は完全に裏目。
そして年明け早々の1月7日、東スポが一面で『長野 広島移籍 人的補償』とスクープ!
巨人がプロテクトから外し、広島が指名したのは長野だった。
ここで先ほどの記事が味わい深い。
広島・松田オーナーの「ベテランは外してない?」という言葉をブラフと判断した巨人関係者は『大胆にベテランを外して“攻めたリスト”になっているはずだよ』とコメントしていた。その結果、まんまと広島は長野を指名したことになる。
いやー、記事でこの過程を伝えてくれたのが面白かった。
今となっては巨人・石井球団社長の「誰を獲るのかな。長野かな?」という言葉がマヌケに見えるではないか(失礼)。
「赤長野」はプロレス得意の東スポならでは。
広島と巨人の駆け引きを昨年末から報じ、年明けに「長野広島移籍」をスクープした東スポ。一連の報道が注目されたことで東スポは勢いに乗って「長野情報」を一面で報じ続ける。
『長野巨人復帰ある? ない?』(1月9日付)
『長野独占激白 「僕は大丈夫ですよ」LAから広島の皆さんへ』(1月11日付)
『赤長野のトリセツ 密着9年!!番記者が公開』(1月25日付)
出た、赤長野!
かつてプロレスラーの蝶野正洋が白タイツから黒タイツにしてヒール転向した。その転向は大成功だったのでファンはそのあと「白蝶野」「黒蝶野」と呼んでそれぞれの時代を語った。今回、名前の読み方が同じ「チョーノ」だけにオレンジ長野から赤長野へとなった次第。プロレス報道も得意な東スポならではである。