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C大阪に完封されたヴィッセルの困難。
“VIP”の本領発揮はいつになるか。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2019/02/25 11:40
新加入のダビド・ビジャはピッチ上で何かを起こそうとしていた。VIPの本領発揮はいつになるだろうか。
期待値と現在地にはギャップがある。
J1の開幕節では唯一の金曜日開催だったことも含めて、ヴィッセルの戦いぶりは大きくクローズアップされた。ただ、シーズンは始まったばかりである。ポルディ、イニエスタ、ビジャの3人が並び立ち、セレッソからW杯プレーヤーの山口蛍、鹿島アントラーズから日本代表経験を持つ西も加わり、日本人の戦力も底上げされている。
とはいえ、昨シーズンのヴィッセルは黒星先行の10位である。周囲の期待値と彼らの現在地には、率直に言ってギャップがあると言わざるを得ない。
これから試合を重ねていけば、3人の外国人選手のコンビネーションはより深まり、日本人選手を含めた連係も高まっていくだろう。昨シーズンのサスペンションが持ちこされてセレッソ戦で出場停止だったブラジル人FWウェリントンを使うことで、最前線に高さや強さといったオプションを加えることもできる。
一方で、対戦相手のスカウティングも確度を上げていく。これからヴィッセルと対戦するチームにとって、ロティーナの戦略は格好のモデルケースとなったに違いない。しっかりブロックを敷けば怖くはない、という──。
ヴィッセルの進化が、他チームの分析を上回るか。3人のビッグネームに引っ張られて、チームが姿を変えていくのか。
他チームの分析が、ヴィッセルを封じ込めていくのか。
それこそは、2019年シーズンのJ1リーグにおける、継続的かつ大きな見どころである。