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<引退記念インタビュー>
村上佳菜子「“2人の母”に愛されて」 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

PROFILE

photograph byAsami Enomoto

posted2017/07/11 06:00

<引退記念インタビュー>村上佳菜子「“2人の母”に愛されて」<Number Web> photograph by Asami Enomoto
今年4月、惜しまれつつ現役を引退した村上佳菜子。誰からも愛され、心に残る演技を見せられた陰には、温かく見守り続けた母親と、コーチの存在があった。山あり谷ありのスケート人生を自らの言葉で振り返る。

 スケートシーズンの終わりを告げる、今年4月の世界国別対抗戦のエキシビション。村上佳菜子が登場すると「現役最後の演技になります」とアナウンスが流れた。騒然とする会場。落ち着いた笑みでしっとりとした演技を披露すると、納得の表情で天井を見上げた。現役後半は苦しい時期も続いたが、それでも「笑顔の佳菜子」を貫いて駆け抜けた。引退から2カ月。すべての思いを消化したいま、笑顔の源は何かを語る。


 1994年、名古屋市に生まれる。姉が山田満知子コーチにフィギュアスケートを習っており、ベビーカーでの散歩コースがスケート場だった。

「最初の記憶は、お父さんがお休みの日に一緒に遊びで滑ったこと。満知子先生が他の子に教えるのを『無料レッスン』といって、見て練習していました」

 山田コーチの指導方針は、徹底した「山田ファミリー」を築くことにある。まず、勝敗のためではなく人間性を育てるためにスケートをするという目的意識を、子供に伝える。

「満知子先生は『試合で勝ちなさい』とは絶対に言いません。『メダルは獲れなくても良いけど、人の心に残る演技をしなさい。人から愛されるスケーターになりなさい』と言われて育ちました」


 練習スタイルも個性的だ。レッスン以外の時間は、母親がリンクサイドに立ち、我が子を指導する。

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