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連覇のキタサンブラック、大レコードの価値。~長距離路線が不人気だなんて誰が決めた!~
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byKYODO
posted2017/05/28 17:00
次走は宝塚記念(6月25日)の予定。その後の状態次第で仏・凱旋門賞(10月1日)に出走するか決めるという。
3200mという、サラブレッドには過酷な距離に古馬最高の栄誉を懸けて戦うのが「天皇賞・春」だ。以前は春も秋もこの距離だったが、'84年から秋の天皇賞が2000mに変更され、'87年には3歳馬にも門戸が広げられた。'80年までは「勝ち抜き制」というルールもあり、天皇賞を一度勝った馬は二度と天皇賞に出走できなかった。これは一部のオールドファンしか知らない話になってしまったのだろう。天皇賞連覇など、そもそもあり得ない時代があったのだ。
春の天皇賞に対しても、根幹の距離(2400mか2000m)に変更すべきだという論議が度々持ち上がるのも、超長距離戦が世界的に不人気になっているからだろう。マイラー系のスピード溢れる種牡馬が人気を集める時代に、3200mというレアカテゴリーのチャンピオンの価値は低いという見方が生じるのも時代の趨勢かもしれない。