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開幕目前テストに見えた「超速」シーズンの勢力図。~出遅れたホンダ、王者までの距離は~
text by
今宮純Jun Imamiya
photograph byAFLO
posted2017/03/22 16:00
マクラーレン・ホンダはパワーユニットが故障に見舞われ、不本意な周回数しかこなせず。
「超速」シーズンの到来。2月末からのバルセロナ合同テストでのアピールは強力だ。メルセデスに急遽移籍したボッタスがニューマシンW08で最速1分19秒705を叩き出す。昨年スペインGPのポールポジション、ハミルトンのタイムを2.295秒も縮め、'17年新規定のワイド・マシン(車幅2m)とワイド・タイヤの大幅なパフォーマンス向上を証明。王者チームは新コンビに早速66周フルレース・シミュレーションを試させ、4日合計最長距離2597km(8レース相当)を走破、盤石の滑り出しだ。
メルセデスの鮮やかな“先制攻撃”が話題1なら、フェラーリのライコネンが4日間中2日でトップタイムを記録、ベッテルも自己ベスト1分19秒952でボッタスに肉薄したのが話題2。0.247秒差はあるが2ランク硬いスペックのタイヤなので、ニューSF70Hは飛躍的に戦力アップしたと解析できる。トップスピードがメルセデスと対等になったのは新設計PUのパワーアップ効果だ。シャシー挙動もスムーズに安定、ライコネンは「昨年より好感触」と言う。ベッテルも「フルアタックではなかった」と示唆。チーム首脳は冷静に「他チームの動きは気にせず、足元を固めている」と控えめだ。昨年開幕前にメルセデスへ対抗意識をむき出しにしたのとは大違い、粛々と復活へ進み始めたか……。