ブックソムリエ ~新刊ワンショット時評~BACK NUMBER
アンフィールドのキャプテンは、勝利も敗北も知っている。~ジェラードの自伝の赤裸々っぷりに驚く~
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![幅允孝](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
幅允孝Yoshitaka Haba
photograph byWataru Sato
posted2016/05/12 08:00
![アンフィールドのキャプテンは、勝利も敗北も知っている。~ジェラードの自伝の赤裸々っぷりに驚く~<Number Web> photograph by Wataru Sato](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/5/f/350/img_5f115442c8adf9583126f1a562d98299119298.jpg)
『君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝』スティーヴン・ジェラード著 小林玲子訳 東邦出版 1600円+税
スティーヴン・ジェラードの自伝は、今となっては稀有な「ワン・クラブ・マン」の最後の2年間を描きながら、彼がイングランドで積み上げた勝利と栄光のキャリアを振り返る1冊である。
リバプール市内の道端で毎日ボールを蹴っていたジェラードは、8歳の時に合格した育成組織からリバプール一筋。'15年にクラブを去るまで、710試合を戦い抜いたのはご存知の通りだろう。移籍市場における選手の売り買いが、「チーム愛」とは別の側面でしか語られなくなって久しいが、彼の最新自叙伝はフットボールが人情と同居していた最後の世代の、実に正直な告白であるともいえる。
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