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当代きっての執筆陣が描く、カリスマ・アリの真実の姿。~「お前さんは白人権力機構内のちっぽけな下っ端だろう」~ 

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馬立勝

馬立勝Masaru Madate

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posted2016/08/25 08:00

当代きっての執筆陣が描く、カリスマ・アリの真実の姿。~「お前さんは白人権力機構内のちっぽけな下っ端だろう」~<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『カリスマ 神に最も近づいた男 モハメド・アリ』ジェラルド・アーリー編 鈴木孝男訳 KKベストセラーズ(長期品切れ・重版未定)

 モハメド・アリが6月3日に74歳で亡くなった。米国の有力各紙はアリに関わる様々な記事を掲載した。そんな中でニューヨーク・タイムズがこれまで出版されたアリの本を論評し、本書を「驚嘆すべきアンソロジー」と振り返った。'60年代から'90年代までに発表されたインタビュー、評論、試合レポートなどから精選された31篇。書き手は作家、報道記者、評論家など、同時代のオピニオン・リーダーたちだ。

 例えば、大リーグ最初の黒人選手ジャッキー・ロビンソン。差別の壁と闘った先達は、'64年にカシアス・クレイがヘビー級の王座に就き、その直後にブラック・モスレムに入信しモハメド・アリと改名した“事件”を自ら書く。“俺がいちばん偉大だ”と叫ぶアリの大言壮語を「私たちがもっと自覚していなければならなかったメッセージ」と考える。そして黒人たちに自分が「他の人間たちと同じように偉大だと思ってほしい」というのだ。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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モハメド・アリ
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