“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
2年連続J2降格を味わった瀬川祐輔。
「レイソルだから」残留してプラス。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/02/21 07:00
瀬川祐輔は「ちばぎんカップ」でゴールを決めるなど、開幕への調整が順調にいっているようだ。
ゴールを狙うサイドハーフ。
今年から就任したネルシーニョ監督のもとで、これまでの1トップやシャドーではなく、左サイドハーフの役割を与えられた。ゴールからは少し遠い位置でのプレーになるが、ちばぎんカップで彼は“結果へのこだわり”をさっそく示したのだ。
「あのゴールは自信になりました。DFに当たっているし、完全に納得しているわけではないけど、あの局面でシュートを選べたことが大きい。前にスペースがあると、いつもならドリブルで運ぶけどシュートを打たなかった。でも、あそこで自信を持って枠に飛ぶシュートを打てたし、DFに当たってゴールに入ったのは、運を引き寄せているのかなという感覚も生まれました」
積極的にゴールを狙う姿勢は変わらない。それにサイドハーフは明治大学時代にプレースタイルを確立したポジションでもある。当時、瀬川は左サイドで縦への仕掛けやカットインだけでなく、DFラインのギャップを巧みに突く抜け出しで、ゴールに絡むプレーを何度も見せていた。
「シュートが打てて、ゴールを決められるサイドハーフがいれば、チームにとってプラスなのは間違いない。それを出していきたい。でも、大学時代よりもその質を上げるためには、もっとゲームの流れを読んだり、連係を深めないと。そこを追求すれば成長に繋がると思うし、もっとボールを握って、相手を食いつかせるポゼッションを駆使していく。レイソルらしいサッカーができれば、質は自ずと上がっていくと思う」
たとえ自分のプレーが悪くても。
瀬川の成長がチームの成長に直結する。自覚と自負、そして覚悟を持った男の表情は引き締まっている。
「レイソルは負けてはいけないという責任感がある。その中でチームを引っ張っていきたいし、周りからもっともっと信頼される選手になりたい。今年は悪い内容でも勝てば良い、というところなんだと思う。たとえ自分のプレーが悪くても、きちんと結果に繋げられるメンタリティーを持ちたい。点を獲れなくても必要以上にへこまず、何かなんでも勝ちに繋げる。僕だけじゃなく全員がやらないといけないと思う」
覚悟のシーズンの幕明け。瀬川は誰よりも結果にこだわり、打ち立てた目標を達成するべく、レイソルの先頭に立つ。