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ミシャ「カウンターは仕方ない」
それでも札幌は攻めて優勝を目指す。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/02/19 11:00
札幌がこれほど期待値の高い状態で迎えるシーズンが過去あっただろうか。ACL、そして優勝を本気で目指す。
都倉や三好の穴は埋められる。
ミシャの言葉通り、昨年は三好を始め、ユース上がりの深井一希、菅大輝、進藤亮佑ら若手が活躍した。今年も若い彼らが軸になり、さらに東京五輪世代の岩崎や青森山田高校から入団した檀崎竜孔の活躍が期待される。
ただ、ミシャのサッカーは独特だ。新入団の選手たちは、馴染むまでに少し苦労するかもしれない。
「都倉や三好が抜けたところは新しくいい選手が入ったので、十分に穴埋めをしてくれると思います。ただ、彼らは今チームのやり方を学んでいるところです。チームに馴染み、プレーで自分の持ち味を出すには少し時間がかかるかもしれないですね。
ベースは昨年4位になったチームの選手たちですが、新しく加わった選手がいかにその選手たちを超えていけるか。そうなればチームはさらに強くなるでしょう」
トップ3と差がある失点数をどうするか。
中野ら新加入の選手と既存のジェイやチャナティップ、駒井善成らを擁する札幌の攻撃陣は、川崎や鹿島にも引けを取らない厚みがある。
しかし、気になるのが失点の多さだ。昨年はトップ3である川崎は27失点、広島は35失点、鹿島は39失点で、札幌は48失点だった。トップ3を目指すには、守備にメスを入れなければならないが、ミシャはかつて指揮した浦和ではほとんどテコ入れしてこなかった。札幌では、どうするのだろうか。
「失点を少なくするというのは取り組まないといけないことだと思っています」
ミシャは、厳しい表情でつづけた。
「昨年は攻撃に重点を置いてチーム作りをしてきました。その中で失点が増えることもある程度計算に入っていました。そうはいってもやはり失点を減らしていかないとと思いますが、そのためには経験が必要です。今シーズンは、昨年の経験があるので、練習で選手たちは仕掛け方と同時に失い方、失った後のプレーについてすごく意識してやってきています。だから、それほど心配はしていません」
ミシャはあくまでも楽観的だ。