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ブルペンの使い方で投手は変わる。
いい音がしすぎてもダメ、とは?

posted2019/02/14 07:00

 
ブルペンの使い方で投手は変わる。いい音がしすぎてもダメ、とは?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ピッチャー、キャッチャーの双方にとって、ブルペンと実戦の落差を小さくすることは意味がある。

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Hideki Sugiyama

 NHKのBS放送に、『球辞苑』という番組がある。

 野球という競技をバラバラに分解して、たとえば「三塁打」とか「カットボール」とか、毎回1つのピースをテーマに取り上げて、深く掘り下げていく。そんなマニアックな番組である。

 面白そうなテーマのときは見せていただくのだが、つい先日「ブルペン」がテーマになった回を、うっかり見逃してしまった。

 いやあ、失敗した。これだけは、絶対に見たかったのに……。

 選手だった頃、私の野球の世界はほぼ「ブルペン」であった。試合でマスクをかぶらせてもらったのは、せいぜい高校まで。大学ではベンチ入りのメンバーに選ばれたこともなく、100%ブルペンが私の野球の世界であり、また仕事場でもあった。

 それが“クセ”になってしまって、45の歳で「流しのブルペンキャッチャー」という雑誌の連載記事で再びブルペンで全力投球を受けることになり、以降ずっと、これは!という快腕、剛腕がいると、ぜひに……とお願いをして、今もブルペンでミットを構えているのだから笑ってしまう。

 今では、ブルペンのキャッチャースボックスに腰を下ろしてしゃがむと、なにか“わが家”に帰ってきたようなホッとする思いがするほどだ。

ブルペンについて語りたい。

 それだけに「ブルペンの巻」を見逃したのは痛かった。そもそも見ようとしていたのが再放送だったから、おそらくもう見る機会もないだろう。あんまり悔しいから、放送を見られないなら自分で「ブルペン」について語ってやろうか……。

 そんな気になったものだから、よろしかったらお付き合いいただきたい。

 番組の内容がわからないので、もしかしたら重複する話があるかもしれない。その点はお詫びしなければならないが、おそらくほとんどないはず、勝手にそう踏んでいるのだが……。

【次ページ】 いい音が出ればいい、わけじゃない。

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