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年俸高騰でメジャーのFAが危機?
補強をへらす球団、高値を煽る選手。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2019/02/09 09:00
ハーパーはいずれ巨大契約を手にするだろうが、その次のランクの選手たちにとっては難しいオフが続く。
スーパースターは決まるが、その下は……。
セイバーメトリクス(統計分析)の積極導入で選手の査定方法が変わった今、一部の有力選手の値段を上げて需要も増やす「古き良き時代」は終わったのかも知れない。
FA選手に頼らず、生え抜き選手の育成を根幹にチーム構築法を考える球団が増えれば、FAになる選手は例年通りでも自然と供給過多になり、結果的に商品=FA選手を減らすか、値段=年俸を下げて需要を増やすしかない。それが市場原理というものだ。
ハーパーやマチャドの所属先はその内、決まるだろう。心配なのは「買い控え傾向」にのみ込まれた他のFA選手たちで、彼らにとって今冬はとてつもなく長く感じられるだろう。
我々メディアにとっても、この2年は大きなニュースのない長く退屈なオフシーズンが続いている。今の労使協定が失効する2021年まで、毎オフそうなるのかと思うと、ゾッとする。