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香川真司、移籍初戦で衝撃の2得点。
トルコでの半年がキャリアを左右?
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2019/02/04 12:05
移籍直後の初出場わずか3分で2ゴールを叩き込んだ香川真司。やはり彼の足から放たれる“魔法”は錆びついていない。
残留争いのハノーファーでは。
第1希望であるリーガ・エスパニョーラ1部のクラブへの移籍が叶わないのであれば、この冬のタイミングで香川が優先すべきは、プレーする環境を得ること。現状、ドルトムントにいては出場機会がないことは明白だった。
もしチームの調子が悪いのであれば我慢して耐えることもできただろうが、若手がひしめくドルトムントが調子を落とす気配はない。リーグ優勝とドイツ杯は現実的なターゲットで、CLでもできる限り上位進出を狙っているはずだ。そんなチームで状況が一気に好転するとは思えない。
ハノーファーとベシクタシュを天秤にかけると、ドイツ1部の下位チームか、リーグとしてのレベルは落ちてもそのリーグで名門であり上位争いを演じているチームかの選択になる。
ハノーファーも昨年末にオファーに発展しそうだったとされるシュツットガルトも残留争いに巻き込まれかけている。そんなチームにいくのは少し難しい。
ドイツ国内では香川は知られた存在で、期待度としては他国のリーグに比べると高いだろう。だが、残留争いに巻き込まれかけているチームを1人で変えることは難しい。
しかもハノーファーにはすでに原口元気、浅野拓磨という2人の日本人選手がいる。インスタグラムなどで親交を深めていることをオープンにしているが、一緒にプレーするとなると話が違うだろう。
出場期間を得るための割り切り。
一方、ベシクタシュであれば、完全に新しい環境に身を投じることになる。ゼロからまたフレッシュな状態で取り組めるかもしれない。アバウトさがあるトルコのサッカーの中で、繊細な香川のスタイルは全く受け入れられないかもしれないが、逆に稀有な存在として重宝される可能性もある。
そして半年間出場期間を得るために、と割り切るのならば、ベシクタシュのほうが良いという判断なのだろう。天候もドイツに比べたらだいぶ暖かく、日照時間も長い。それだけで気持ちは違うし、リフレッシュできるはずだ。