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「東京マラソンでサブスリー」への道。
RUNの“棚卸し”をしてみる。
posted2019/02/01 16:30
text by
柳橋閑Kan Yanagibashi
photograph by
Tokyo Marathon Foundation
冬のマラソンシーズンもたけなわ。ランニング仲間のSNSはレースの報告であふれかえっている。ランニングブームはピークを過ぎたといわれるが、身のまわりを見るかぎり、まったくそんな感じはしない。むしろシリアスランナーといわれる層は増えているんじゃないだろうか?
かくいう僕も、まるで何かに取り憑かれたように走りまくっている。月間走行距離でいうと、12月は391kmを踏み、1月は460kmに達した。この企画がスタートしてからというもの、「自分の中にまだこんなに熱量があったのか?」と驚くくらい、やる気がみなぎっている。練習がしたくてしょうがないという毎日が続き、その日のトレーニングを終えるとすぐに「さて、明日はどんなメニューにしようか」と考えている。
でも、中年ボディは正直だ。もっと走りたいと思っても、足腰のいろんな箇所に痛みが出てくるようになった。しかも、痛む箇所が日々移動するから、モグラ叩きのようだ(苦笑)。じゃあ、距離を抑えて、短くキリッとスピード練習をしようと思っても、今度は心肺機能がついてこない。なかなか心と体の足並みが揃わず、トホホ……という気分になる。
若く健康な体と才能があれば、ひたすら走り込むことで壁を突破できるのだろうが、アラフィフのおじさんが根性で突っ走っても、故障して終わるのがオチだ。ここはすこし冷静になって、クリニックや本で学んできたマラソン理論を見直しつつ、自分のランナーとしての能力を“棚卸し”してみることにしよう。
「3時間」を数字で捉え直してみる。
まずは、これまで漠然と考えていた「3時間」という数字を捉え直してみる。サブスリーを達成するには、ペースでいうと5kmのスプリットタイムで21分15秒、キロあたり4分15秒というのが最低ラインとなる。そのペースで42.195kmを走り通せたとして、フィニッシュタイムは2時間59分20秒だ。
このペースをさらに細かく分解してみると、400m(トラック1周)を1分42秒、100mなら25.5秒で走ればいいということになる。100mだけでよければ、普通に運動をしている人なら誰でも出せるスピードであることが分かる。
問題はそのスピードをどうやって42km維持するかだ。そのために、いろいろなマラソン理論、練習法が出てくるわけだが、そこへ行く前に、スピードの決定要因をもう少し細かく考えてみよう。