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もはや、人間を超えた?
松井大輔が明かす究極のカズ論。
posted2019/01/31 18:00
text by
高木麻仁(Number編集部)Asahito Takagi
photograph by
Megumi Seki
1月上旬、カズのグアムキャンプを訪れると、一緒にトレーニングをこなす松井大輔の姿があった。昨シーズン、ポーランド2部リーグのオドラ・オポーレから横浜FCに加入。2年目となる今シーズンのチーム始動前に、正月明け早々からカズとともに自主トレを行なっているのだという。
今回、グアムを訪れたのは、Number971号のサッカーベテラン特集で51歳にして現役としてプレーし続けるカズの密着取材を行なうためだった。午前練習の後、その旨をカズに伝えると笑顔で了承の意を示したのち、松井に向かって「大輔は?」と問いかける。
「いやいや、僕は37ですから。カズさんと比べればまだまだ若いですよ」
ボールと戯れていた松井は、苦笑しながら答えた。
そんな彼におずおずと近づき、「実は松井選手にも今回の特集で登場していただきたいのですが。ベテランとしての松井選手自身のことと、松井さんから見たカズ論を聞かせてもらえないでしょうか」と切り出してみると、「じゃあ、午後練習の後、やりましょうか」と快諾してくれた。
松井が京都への入団を決めた理由。
そもそも、松井とカズの出会いは19年前の2000年にさかのぼる。
鹿児島実業高校を卒業し、Jリーグの複数のクラブから誘いがある中でカズのいる京都パープルサンガに入団した。
「3チームくらいからオファーが来ていたみたいなのですが、カズさんと一緒にプレーできるというのもあって京都に決めたんです。Jリーグ開幕当時からカズさんを見ていて、僕にとっては憧れでしかなかった。一緒にプレーしたのは1年間だけでしたが、プロとは何か、1年目をどう過ごせばよいかなど、積極的に聞きました。とても濃密な1年間でしたね」
翌年、カズはヴィッセル神戸に移籍し、松井は京都に残留した。チームは異なっても、個人的な交流は続いた。カズから譲ってもらった車で京都から神戸に向かったことも何度もあったという。
「海外クラブや移籍事情なども含めて、いろいろと相談をさせてもらいました。それだけカズさんには経験があるし、何でもわかっているし、言っていることは正しいと思っていたので」