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ベテラン藤野、新鋭上野は伸び盛り。
フェンシング高円宮杯を見逃すな!
posted2019/01/23 07:00
text by
宮田文久Fumihisa Miyata
photograph by
Yasunobu Seo
2019年1月26日・27日に開催される「JAL Presents 2019高円宮杯 フェンシングワールドカップ東京大会(男子フルーレ個人・団体)」。
港区スポーツセンター(JR山手線、京浜東北線田町駅より徒歩5分)で開催されるが、入場は無料。観客はピットをスタンディングで囲み、世界中から集ったトップフェンサーを間近で応援できるという趣向が凝らされた、世界でも類を見ないビッグイベントとなる。
男子フルーレは、太田雄貴(現日本フェンシング協会会長)が北京五輪で個人銀メダル、ロンドン五輪で団体銀メダル(太田、千田健太、三宅諒、淡路卓)を獲得。フェンシング3種目(エペ、フルーレ、サーブル)の中で唯一五輪でメダルを獲得しており、現在も今大会のポスターに抜擢された松山恭助、西藤俊哉、敷根崇裕、鈴村健太をはじめ、力のある日本人フェンサーが揃っている。
しかし昨年12月の全日本選手権で、輝きを見せたのは、彼らではない、2人のフェンサーだった。
31歳の藤野と19歳の上野。
ひとりは、4度目の日本一となった31歳の藤野大樹(デンソー岩手)。LEDや音楽など華やかな演出がなされ、満員となった東京グローブ座の特設ピストで行われた決勝戦で、15-14の接戦をものにした。彼の歓喜のガッツポーズを、スポーツニュースなどで目にした方も多いだろう。
もうひとりは、その決勝で惜しくも敗れた、19歳の上野優斗(中央大)である。上野は藤野相手に、一時は14-12とリード。栄冠まであと1ポイントというところまで迫っていたが、そこからの逆転劇を許しての準優勝。
それでもこの大会での躍進とその果敢なプレーぶりは、観客の心を掴んでいた。
ポスターの被写体となった4人ではなく、この2人が決勝の舞台に上がったことは、さまざまな意味がある。
ポスターの4人は、いずれも1996~98年の間に生まれた選手であり、いわば「黄金世代」。しかし、彼ら「黄金世代」をおしのけて、ベテランの藤野、フレッシュな上野が結果を残したことは、男子フルーレ界の層の厚さを示している。
また、二人ともに高円宮杯に出場する。彼らが全日本選手権の勢いそのままに、躍進を遂げる可能性も、十分にあるのだ。