スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
本塁打量産とキンブレル争奪戦。
リリースポイント地表151cmの脅威。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byAFLO
posted2019/01/19 10:00
2018年のMLBワールドシリーズ第1戦に登板したクレイグ・キンブレル。
大物抑え投手の年俸としては妥当。
その意味でも、キンブレルの契約条件は興味を惹く。2016年12月、アロルディス・チャップマンはヤンキースと5年総額8600万ドルの契約を結んだ。'17年1月には、ケンリー・ジャンセンがドジャースと5年総額8000万ドルの契約。そして'17年12月には、ウェイド・デイヴィスがロッキーズと3年総額5200万ドルの契約。
これら大物抑え投手の相場を見ると、キンブレルが年俸に均して1600万ドル前後の報酬を要求するのは自然のなりゆきと思える。30歳という微妙な年齢だけに、契約期間はやや短縮される可能性もあるが、「リリースポイントの低い速球と、大きく落ちるカーヴ」はキンブレルの強力な武器だ。
王者レッドソックスが、奮発して彼を呼び戻すのか。それとも古巣ブレーヴスが、思い切って財布の紐をゆるめるのか。あるいは、意表をつく球団が横から割り込んで彼をさらっていくのか。先は読みにくいが、キンブレルを欲しがっているチームは、かなりの数にのぼると思う。