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イチローに魅入った菊池雄星少年。
「雲の上の存在」がチームメイト。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byAFLO
posted2019/01/19 17:00
会見を受けて、MLB公式も「イチローは国際的なミステリーマン」と反応した。
「雲の上の存在過ぎて」
その翌年、イチローはメジャーへ移籍したものの、菊池の視線は常にイチローの背中を追い続けていた。続々と出版される「イチロー本」だけでなく、雑誌の特集記事を読みあさり、テレビの特番なども、ほぼ欠かすことなく、チェックしてきた。
その後、メジャーを目指すようになった菊池にとって、イチローは単なる憧れ、尊敬する対象というだけでなく、いつしか、自らが追い求める「鑑」のような存在になっていた。
今年2月、米アリゾナ州ピオリアのキャンプでは、そのイチローと一緒のグラウンドで一緒に練習し、メジャー1年目のスタートを切ることになる。
「イチローさんのこと、考えとかルーティンとかを知りたいと思っていました。なので、本当に会う機会があると思うので、たくさんお聞きしたいこともありますし、一緒にプレーさせていただけるのが楽しみで仕方ないです」
今季、マリナーズは3月20日から日本(東京ドーム=対アスレチックス戦)で開幕2連戦を行う。すでにマリナーズのジェリー・ディポトGMは、イチローのベンチ入りを明言した一方で、菊池が日本でメジャーデビューする可能性も膨らむ。
「イチローさんが雲の上の存在過ぎて、会うまで信じられないというのが正直な気持ちです。その上で本当に一緒にプレーする機会があれば、必ず僕の一生の財産になると思いますし、そのピッチングというのを楽しみたいなと思います」
菊池がマウンドに立ち、その背後でイチローが守る。
今年28歳となる菊池と、日米通算プロ28年目を迎えるイチロー。
同じユニホームを着て、同じグラウンドに立つ時、2人は互いに何を思うのだろうか。