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吉田沙保里が引退を決意するまで。
「キャスターよりバラエティの方が」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byAsami Enomoto
posted2019/01/11 17:00
最初に引退の報告をしたのは母親の幸代さんだった。「『ご苦労さん』と。『あなたが決めたことだから』と母から言ってもらいました」。
「もう自分はやりきったと」
会見では気持ちが作れなくなってきたことも引退する理由のひとつにあげていた。
「歳をとるにつれだんだんと体力が落ちてきたり、衰えたりする中で、『本気になったら』という思いもあったけど、やっぱり気持ちの部分がもう追いつかなかった。
その時やり尽くしたという思いの方が強くなったので引退を決めました」
昨年伊調馨が電撃復帰。全日本選手権も制した時には「伊調の活躍に刺激を受け、吉田も復帰しないか……」という淡い期待を抱いたが、吉田は「人は人、自分は自分」というスタンスを貫いた。
「もう自分はやりきったという思いの方が強かったので、(伊調の復帰にも)心は動かなかった」
もうこれで十分だ。
吉田に彼女の代名詞ともなった弾丸タックルを教え込んだ父・栄勝さんも天国から「本当によく頑張った」と声をかけてくれるだろう。