松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
修造、驚愕! パラカヌー瀬立モニカは
肩甲骨と頭の位置でバランスをとる。
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byYuki Suenaga
posted2019/01/15 07:00
このキラキラと輝く水面は、中学時代から通う江東区の練習場。インタビュー時に、カヌーを漕いでみせてくれた瀬立モニカ。
「1日1回はチンしますけど」
瀬立「私が中学生の頃はまだこんなに川がきれいじゃなくて、水に落ちてしまうと、みんな次の日に熱を出してました。熱を出して、治して、そうやって免疫を作りながらどんどん強くなっていく」
松岡「??? それは、水に濡れて寒いから風邪をひくってこと?」
瀬立「それもあったかもしれないけど、当時は川が汚くて、水質がよくなかったので、落ちるとウィルスに触れる機会が多かったんだと思います」
松岡「そんな競技、ある?(苦笑)。実際にやめた子もいたでしょ」
瀬立「ゼロです。みんな1回は熱を出すんですけど、そこから段々となじんでいくので。それに今の川の水、すごくきれいになりましたし!」
松岡「辞めなかったということは、違う意味でカヌーという競技そのものが面白かった、ということ?」
瀬立「そうですね。自転車と似た感覚かな、と思います。最初は補助輪付きから始めて、何度も倒れながら感覚をつかんでいく。そのうちに、無意識で乗れるようになっているじゃないですか。それと同じ。乗れるようになると、すごく楽しいです」
松岡「でも、カヌーはその感覚をつかむまでが相当長いんじゃないかな……。練習を始めてどれくらいで乗れるようになりました?」
瀬立「だいたい3カ月。乗れるようになっても、1日1回はチンしますけど」
松岡「? チンってなんですか」
瀬立「ハハハ(笑)。カヌー用語なんです。沈没の『沈』で、転覆してしまうこと。私も最初に聞いた時はびっくりしました」