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高校サッカーのキャプテンマークは
CBとボランチだらけ。全48校調査!
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAFLO
posted2019/01/08 08:00
ベスト4進出を果たした瀬戸内のキャプテン、佐々木達也。10番で2列目というレアケースだ。
10番でキャプテンは何人?
ちなみに「キャプテン翼」のような、ナンバー10のキャプテンはどれくらいいるんだろうか。それも調べてみた。
10番がキャプテン:岐阜工(森龍)、星稜(岩岸宗志)、丸岡(宮永任)、岡山学芸館(永田一真)、瀬戸内(佐々木達也)、大分(山口卓己)
以上、6校だった。この中で特に目立ったのは瀬戸内の佐々木主将だろう。冒頭に取り上げた通り、選手権初出場の同校をベスト4まで導いた。
なおかつ12月30日の開会式では選手宣誓を務めて、4分超にもわたるロングメッセージを“カンペ”なしでスピーチしきると、会場の駒沢陸上競技場からは大きな拍手が起きた。プレーもピッチ外での振る舞いも立派の一言だ。
プレーで引っ張るタイプも。
プレーで引っ張るタイプのキャプテンの代表例は岡山学芸館の永田だろうか。岡山学芸館は2回戦で仙台育英相手に、永田の決勝ゴールによって1-0で勝利した。その試合後、高原良明監督は永田をキャプテンに任命したことについて、こんな風に話していた。
「なかなか言葉で表現するのは得意な選手じゃないんですけど、プレーで体を張ったり、最後まで走りきる行動で示すようなタイプの選手です。責任感も強いですし、1年生の頃からずっと試合に出ていた経験もありましたし、永田しかいないかな、というところで指名しました」
監督から厚い信頼を受け、結果でチームメートを勇気づける。これもまたエース兼キャプテンらしい姿なのかもしれない。
10番でキャプテンが6人という数は、多いか少ないか判断しかねるところだ。それでもエースナンバーを背負ってゴールを狙い、キャプテンまで務めるのは、野球でいう「エースで4番」と同じロマンを感じる。
センターバックやボランチのキャプテンが数多い一方で、守護神やストライカーが主将を務めて活躍すれば目立つし、何よりカッコいい。そんなストーリー性あるプレーヤーが出てくるのも、高校選手権ならではの楽しみといえるだろう。