球体とリズムBACK NUMBER
マリノスの変化は確実に進んでいる。
ポステコグルーが掲げる志の壮大さ。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/01/01 11:00
ポステコグルー監督の哲学はJリーグの中でも尖っている。それだけに、まだチームの天井は見えない。
ペップも1年目は無冠だった。
ギリシャ系オーストラリア人指揮官の1年目は、成功とは言えないが、失敗でもない。リーグ戦では残留争いに巻き込まれたが、ルヴァンカップでは17年ぶりの優勝まであと一歩に近づいた。グアルディオラもシティでの1年目は、自身の監督キャリアで初となる無冠で終わっている。そして2年目の昨季、オフに自らの戦術に合う選手を補強した後、史上稀に見る圧巻の強さでプレミアリーグを首位で駆け抜けた。
つまり、来季は勝負の年になる。ポステコグルー監督が2年目に望む戦力を補強でき、その上で優れた指導力を発揮すれば、名門は真の復活の足がかりを掴むのではないか。その行く末には、マリノス・サポーターが見たこともないくらい壮大なチームがあるかもしれない。練習の指導を担当するコーチのピーター・クラモフスキーが「日本を揺るがすのはこれからだ」と言っていたように。
まずはこのオフシーズン、どんな布石が打たれるのか。そこから注目したい。