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松本山雅・高崎寛之が再びJ1へ。
「得点王を狙います」を、もう一度。
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/01/03 08:00
松本山雅の攻撃を引っ張ってきた自負が高崎寛之にはあるだろう。J1でも仕事をしてくれるはずだ。
「得点王を狙います!」と宣言した時。
2010年、高崎は水戸ホーリーホックへの1年間の期限付き移籍を経て、浦和レッズに復帰した。
サポーターを前にしたレッズフェスタで、彼は「得点王を狙います!」と宣言した。水戸への武者修行で覚醒し、2009年に46試合19ゴールと爆発。パワーとスピードを生かし、DFをなぎ倒してでも敵陣に向かっていく。得点ランキング5位に入る成績を残した。
しかし自信に満ち溢れた24歳のFWは、フォルカー・フィンケ体制下でリーグ5試合1得点と、出場機会すらなかなか巡ってこなかった。
翌年、ゼリコ・ペトロビッチ監督のもとでは、15試合2得点。まずまず出場機会は得たが、チームはまさかのJ1残留争いに巻き込まれた(そのなかで5月21日の鹿島戦(△2-2)では1得点1アシストとポテンシャルの高さを見せつけた)。
J2では217試合68得点とコンスタントに活躍してきたものの、J1では74試合10ゴールと結果を残せずにいる。
最前線で「存在感」を出すために。
2019年。高崎は葛藤のシーズンを送るのではないか。
チームが勝つために優先すべきは一体何なのか。それは、チームとしても明確にすることが必要だろう。
松本がJ1残留を果たすとき、高崎は自分の仕事に納得できているはず。ただ、やはりゴールはほしいに違いない。
松本のために最前線で強気に振る舞い、味方のために潰れることを厭わない。その諦めないスタンスの先に、ゴールはある。
その実直すぎるほど実直な姿勢は、松本のみならず、彼が在籍してきた浦和、鹿島、山形、そして徳島のサポーターも十分に知っている。
彼が得点王争いに加われば、松本のJ1残留は間違いない。ただ、そう理想通りに行かなくても……高崎が一皮むけたとき、松本もチームとしてステップアップを遂げるだろう。もちろん、まずは反町監督に認めさせ、ポジションを勝ち取らなければならない。