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松本山雅・高崎寛之が再びJ1へ。
「得点王を狙います」を、もう一度。
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/01/03 08:00
松本山雅の攻撃を引っ張ってきた自負が高崎寛之にはあるだろう。J1でも仕事をしてくれるはずだ。
高崎の出た試合は勝ち点を量産。
実際、シーズン終盤はゴールに絡めずにいた。
9月23日の34節ロアッソ熊本戦(〇2-0)で2アシストを記録し、翌週の35節のモンテディオ山形戦(△3-3)では1ゴール。しかし、そこから最終節まで7試合、数字に残る結果は出せなかった。
とはいえそのラスト7試合は、3勝3分1敗と崩れずに勝点を着実に積み重ねた。全試合に先発した高崎の存在があったからこそでもあった。
「身体も痛いところばかりなので、しっかりまた身体づくりをしてから調整したいです」
シーズンの最後、彼はそう語っていた。
新シーズン、高崎がJ1のピッチに立てば、2015年のモンテディオ山形時代から4年ぶり(2016年は鹿島にいたが、リーグ戦未出場のまま4月に松本へ移籍)。30代になって初めて挑むことになる。
「どんな形であっても、ゴールを」
近年のJ1リーグは、30代で輝きを放つケースが目立っている。
佐藤寿人は30歳で初めて得点王を獲った。大久保嘉人は31歳から3年連続得点王に輝いた。
興梠慎三も昨年31歳でキャリアハイの20得点を決めた。今季の15ゴールも自身2位の成績だ。小林悠も30歳で初めてMVPを受賞している。
高崎にとっては、32歳で巡ってきたJ1再挑戦のチャンス。自らの手で掴み獲ったJ1への切符だ。
「泥臭く押し込む形でも、どんな形であっても、ゴールを決める。それがFWの仕事」
かつて、彼はそう語っていた。フィニッシュに絡んでシュートやラストパスを放ったあと、次の動きが遅れる点などに課題を感じるが、勝負どころを嗅ぎ取る力は増してきたように思う。その力をぜひJ1で見せつけてもらいたい。