プレミアリーグの時間BACK NUMBER
3年目のモウリーニョがついに解任。
マンUはチェルシーと同じ道を辿る?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto press
posted2018/12/22 11:30
またも3年目でクラブを去ったモウリーニョ。ユナイテッドの行く末はどこへ?
ポチェッティーノはどうか?
トッテナムは就任5年目のポチェッティーノのもとでプレッシングを効かせたポゼッションベースの攻撃的スタイルを浸透させ、優勝争いに割って入っている。若くて強い、魅力的なチームへと進化を遂げた。
またモウリーニョが採用を嫌ったフットボール・ディレクターとの関係性でも、ポチェッティーノはサウサンプトンとトッテナムで協調した実績がある。たった1年半でサウサンプトンからトッテナムへと移った野心の持ち主だけに、よりビッグなクラブへとステップアップを遂げる絶好の機会となる。
ただしマンUの土壌は前述の通り、「監督墓場」状態である。
マンUが、トッテナムのダニエル・リービー会長も拒めない規模の違約金を用意した場合でも、ポチェッティーノ自身がマンU入りを再考すべきだとする意見もある。アルゼンチン人ということでスペイン語圏のレアル・マドリーも熱を上げているが、マンUで失敗すればレアル入りは一気に遠ざかるリスクも指摘されている。
ファンを含めたトッテナム側から見ても、マンUを選べば“ステップダウン”と受け取る向きが多いはずだ。実際、第17節終了時点では、3位トッテナムは6位マンUに勝ち点13差をつけている。
チェルシーも暫定監督で……。
来季以降もスールシャール体制が続く可能性もゼロではないとはいえ、その条件は無理難題に近いだろう。プレミア4位以内かCL4強入りを果たせば見る目は変わるだろうが、4位チェルシーとの勝点差は11で、得失点差でも「21」劣っている。グループ2位で抜けたCL決勝トーナメントでは、パリSGとの対戦が決まっている。
ただ過去には、似たような境遇で続投の権利を勝ち取った暫定監督もいる。
2012年に、リーグでは6位に終わったが、CLでチェルシーを優勝に導いたロベルト・ディマッテオだ。クラブの元人気選手という一面もスールシャールと同じ。このシナリオであれば、マンUのファンも進んで「チェルシーの世界」に足を踏み入れたがるだろう。
正監督となったディマッテオは、開幕4カ月目に解雇の憂き目に遭っているのだが、もはや、その手の監督交代もチェルシーは慣れたものである……。