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牡馬に挑んだグランアレグリアに、
藤沢調教師が見出す「光るモノ」。
posted2018/12/21 07:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
12月16日、阪神競馬場で朝日杯フューチュリティS(GI)が行われた。
2歳のトップホース決定戦となるこのレースで、1番人気に支持されたのはグランアレグリア。美浦・藤沢和雄厩舎の牝馬だった。
通常、2歳の牝馬が世代頂点を目指す場合、朝日杯フューチュリティSの1週前に行われる牝馬限定のGI・阪神ジュベナイルフィリーズに出走する。2歳の牝馬戦としては唯一のGIレースであり、ゆえにこれに優勝すればほぼオートマティックにJRA賞最優秀2歳牝馬の栄誉を手に入れることができるからだ。
朝日杯フューチュリティSは競馬場や距離など、細かい変更を繰り返しながら今年で70回目を迎える。1991年から2003年まで牡馬、せん馬限定という変な時代もあったが、それにしても牝馬の優勝は1980年のテンモン以来、出ていない。
先述したように1週前に牝馬限定のGI阪神ジュベナイルフィリーズがあるのだからそれも道理なのだが、今年はグランアレグリアが果敢に牡馬に挑んできたわけだ。
レース当日、藤沢師と同行して。
レース当日、私は東京から阪神競馬場までの道程を、グランアレグリアを管理する藤沢和雄調教師とご一緒させていただいた。
その際、有馬記念に出走させるダービー馬レイデオロや、古くはシンボリルドルフ(藤沢調教師が野平祐二厩舎で調教助手をしていた時代に関わっていた)やシンボリクリスエスらの話も出て来る中、当然、グランアレグリアの話題となった。
この時点で2戦2勝。新馬戦で2着に2馬身差をつけて楽勝すると、2戦目のサウジアラビアロイヤルカップ(GIII)ではさらに差を広げて3馬身半差で連勝。初戦で破った相手が後に勝ち上がり、1週前に行われた阪神ジュベナイルフィリーズを優勝したことも追い風となり、単勝は1.5倍という圧倒的1番人気の支持を得た。