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牡馬に挑んだグランアレグリアに、
藤沢調教師が見出す「光るモノ」。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2018/12/21 07:00
朝日杯のパドックにて、藤沢調教師(右)とグランアレグリア。
粘ったものの3着敗戦。
レースは2番枠から好スタートを決め、先頭に立とうかという走り。鞍上のクリストフ・ルメール騎手が抑えたため2番手となったが、その際、気持ち程度ではあるが行きたがる感じにも見えた。
ハナを譲られたイッツクールが逃げ、その後ろにグランアレグリア。グランアレグリアをマークするようにアドマイヤマーズが続き、4コーナーまで流れた。
直線へ向くとアドマイヤマーズに騎乗するミルコ・デムーロ騎手が早々にグランアレグリアを捉え、かわした。デムーロ騎手の弁によると「アドマイヤマーズはジリジリと伸びるタイプで、瞬発力勝負には持ち込みたくないから」こういう手に出たということだ。
これに対し、かわされたグランアレグリアはすぐに白旗を上げたわけではなかった。一瞬、差し返す素振りを見せるなど、粘ってみせた。しかし、最後は牡馬勢の前に力尽きクリノガウディーにもかわされての3着に敗れてしまった。
「来年の春にはまたここに」
圧倒的1番人気に応えられなかったことで、ガックリしたファンの姿も見られたが、牡馬相手のGIで3着という結果は、冷静に考えれば決して悲観されるそれではないだろう。勝者のアドマイヤマーズはこれで4戦4勝。来年の牡馬クラシック戦線でも間違いなく人気になるはずだ。それを考慮しても、決して恥ずかしい結果ではないと思う。
レース前、藤沢調教師はこう語っていた。
「朝日杯の結果がどうなるかは分からないけど、来年の春にはまたここに戻ってきたいね」
頂上決戦はまだ始まったばかり。今回の敗戦が明日の栄冠につながることを期待したい。