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時代の終わりにプロ野球の意義を。
戦後初めて球音を聞いた男の物語。 

text by

小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph byKyodo News

posted2018/12/20 17:00

時代の終わりにプロ野球の意義を。戦後初めて球音を聞いた男の物語。<Number Web> photograph by Kyodo News

名古屋軍(現中日)で5年、阪急で12年プレー。引退後は妻の父親が中央競馬の調教師であったという縁から、競馬評論家に。

出場の33人がすべて旅立った。

 戦前の職業野球を知り、戦時中に選手ではなく「戦士」と呼ばれた野球を体験し、戦火をくぐり抜け「生きていてよかった」と終戦から3カ月後のグラウンドに立った。伝説の試合に出た33人の選手全員が、これで旅立ったことになる。

 大正に生まれ、昭和を戦い抜き、平成が終わろうとする今、古川氏は逝った。亡くなる数日前まで元気に過ごし、眠るように息を引き取ったと聞いた。

 戦争とスポーツ。平和と野球。日々の生活と娯楽……。古川氏の足跡と言葉に思いをはせながら、職業野球の意義を今一度考えてみたい。

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